河内山宗俊

監督 山中貞雄
公開 1936年

言わずと知れた山中貞雄。すごかった。何なんだ、あれは。と思い、神保町をうろつく。
一誠堂で日本シナリオ文学全集山中貞雄集を買う。読んでみた。
様式的でなくリアルな立ち回り、どこにもいいかげんなところがない。 大戦後のイタリアのネオレアリズモを思い起こさせるが、こっちの方が年代としては早い。しかし、作品の底に流れるこの悲哀は何だ?これを20代でやられたんじゃあ。
山中を観てしまうと、こういうものが成立しえた時代ってものについてつくづく考えざるを得ない。 シナリオは基本山中が書いていたようだが、組んでいた三村伸太郎をどうしても読まないとな、ということになってくる。