がしんたれ

著作 菊田一夫   劇作家、演出家、小説家、東宝役員

菊田一夫の自伝小説「がしんたれ」を読む。
菊田一夫は、劇作家であるが、多才な人であった。
彼の最も有名な舞台作品は、森光子が50年近くも演じ続けた林芙美子原作「放浪記」だろう。
森光子が生涯手放さなかった、彼女の出世作であり代表作だ。
この舞台を作った人物である菊田一夫とは、どういう人なのか、という素朴な興味があった。 たまたま古書店で自伝を見つけ購入。 感想は、とにかく筆力がある、ということ。これは文筆業で成功しないわけないな、と思った。 そして、菊田自身、幼い自分の悲惨な境遇について、鮮やかに記憶していることに驚いた。 これは、菊田の自伝であるけれども、小説としても充分読み応えがある。