血は渇いてる
監督 吉田喜重
公開 1960年
平凡で気の小さい男が、会社の大量首切りに抗議して、ピストルでの自殺未遂事件を起こし、マスコミの寵児となっていく。しかし、つけねらわれたトップ屋にスキャンダル記事をでっちあげられ、あっという間に転落していく。 その男を佐田啓二が演じている。
そして、その男をマスコミの世界に売り出していく女に芳村真理。好演している。
女が、自分の血が騒ぐのをもてあまし、夜通し踊るシーンは、良い。
主演の佐田啓二が手洗い場で鏡を見つめている冒頭のシーン、佐田啓二の顔のアップ看板がビルから外されるシーンなど、印象的なシーンがいくつかある。
吉田喜重監督作品、「秋津温泉」「鏡の女たち」短編「ウェルカム・トゥ・サンパウロ」を観たが、この作品は少し違う。想像してたより、面白かった。時代の空気感・カメラ、なんかもちょうどいい。