一国な市井の人 加藤嘉

名脇役。劇団民芸の創立メンバーであり、その後は→文学座へ。
女優山田五十鈴との結婚歴あり


私が最初に加藤嘉を認識したのは、時代劇での老人役。
現代劇では見た印象がないが、昭和中期の日本映画では、様々な作品に多数出演している。
「砂の器」のハンセン病の父親役、私の大好きな作品「にっぽん泥棒物語」では、冤罪をはらすために活動する実直な弁護士、野村芳太郎監督の「恋の画集」では、悪徳弁護士をコミカルに演じていた。
民芸や文学座の舞台を観たことがないので何とも言えないが、この人の演技はさりげない感じが、ない。
脇をやっても独特の雰囲気があるので、作品によっては少し違和感がある場合もある。
加藤嘉が得意とする人は、真面目でいっこくな人物だ。陽気な庶民派ではない。
職人気質、不遇な人生、清貧、などだ。

今と違って、俳優の素顔などは知るよしもないが、人に与える印象と実際の人物像が近いのではないかと思っている。